
戦前、日本ではまれな疾患とされていました。しかし
食生活の改善あるいは飽食に伴い現在ではよく見られる病気のひとつになっています。平成10年に行われた厚生労働省の調査では60万人の患者さんが通院治療を受けています。
多くは中年以降の男性で、夜中あるいは明け方に突然足の親指の付け根の関節が痛くなってきます。強い痛みで、風が当たっても痛いほどです。これが痛風発作です。
痛くなった関節は腫れて、赤くなり、熱をもっています。
痛風発作の原因は血液から関節のなかにしみでてきた尿酸の結晶です。結晶は体にとっては異物です。異物を処理しようとして白血球が寄ってきて炎症が起きるのです。
尿酸とはどのような物質でしょうか。尿酸は人におけるプリン体の最終代謝産物です。すべての生物は細胞の核の中に遺伝子を持っています。遺伝子の情報を形作る塩基や、体のシグナル伝達に使われるアデノシンがプリン体です。これらのプリン体は日々新しく作られ一方で処理されます。この処理の最終段階でできるものが尿酸です。
尿酸は血液の中に溶けていて、腎臓を通って尿とともに排泄されます。血液を検査して尿酸の量が異常に多いと、高尿酸結晶と呼ばれます。尿酸が血液に溶けきれなくなれば、血液から組織に尿酸が出てきて結晶となり、発作が起こるのです。
腎臓が悪い方も尿酸値が高くなりますが、多くの痛風の患者さんは尿酸の作られ過ぎが原因です。家族の男の人が皆な高尿酸結晶という患者さんも少なくないです。
お肉とくにモツにプリン体が多く含まれています。またアルコールは尿酸と同じ経路で尿に排泄されます。1日に20−30ml以上のアルコールを摂取すると尿酸値が上がります。またビールの麦芽にもプリン体が多く含まれるのでとくにビールは痛風の大敵です。また夏場は尿の量が減るので、尿酸値は上昇します。1日に3リットルの尿量を確保すべく水をよく飲んでください。
ゴルフに行って、大汗をかき、昼にビールを飲んで午後のラウンドをまわるのはとても危険です。尿酸値も上がりますし、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも上昇します。
血清尿酸値は通常男性で4.1−6.5、女性で2.5−5.6くらいです。尿酸値が高いのに放置すると、関節の破壊や腎機能の低下が起こることもあります。
尿酸値を下げる薬をしっかり飲み、尿酸値をコントロールすればむしろ一病息災ですごせます。
定期的に通院し、暴飲暴食を避けて、疲れすぎないように生活することが大切です。